不動産投資の利回りとは?
本日は、不動産投資において最も重要な指標の一つとされる
「利回り」についてお話したいと思います。
「利回り」は、数字として分かりやすく、複数の物件の収益率を直接的に比較できることから、
とても使い勝手のよい数字として流通しています。
しかしながら、見た目の利回りが高いからと言って、
自分が運用したときの収益性の高さにつながるわけではないのです。
利回りとは、
支出(投資金額)に対して得られた収益の割合を表した数字です。
計算方法が分かりやすくて意味が明確であるため、
広く投資効率を判断するときの指標として活用されています。
不動産の場合は、
投資額に対する家賃収入の割合として計算されるケースが多いです。
ただし経費を加味するかどうかで変わってくるため、
利回りにはいくつかの種類があります。
利回りの種類と計算方法
利回りには3種類あり、計算方法も異なります。
■表面利回り
表面利回りは年間の賃料の合計を不動産購入費用で割った数値であり、具体的な計算方法は以下の通りとなっています。
表面利回り=年間の収入合計÷購入価格
かかるコストとして購入価格(初期費用)しか想定されておらず、運営していくに当たって必要となる管理費や税金、外注費などのランニングコスト(継続費用)が考慮されていません。実際に不動産経営を始めてから手元に入る収入の実態よりは高めに計算されるからこそ、「表面」なのです。
物件の収益力を大まかに把握するのには便利であるため、世間に出回る物件情報では表面利回りを記載するケースが少なくありません。実際よりも高い利率が出ることから、注意が必要です。また、物件購入時の値であり、周辺環境の変化や物件の劣化などの事情によって利回りが変わっていく可能性も頭に入れておきましょう。
不動産投資をする立場としては、次の実質利回りや想定利回りなど、より実態に近い数字の算出を怠ってはいけません。
■実質利回り
実質利回りは、その名の通り表面利回りよりも正確な物件の収益力を表すとされています。年間の賃料の合計から税金や手数料などの必要経費を差し引いた金額を、不動産購入費用で割った数値です。つまり計算方法は以下の通りとなります。
実質利回り=(年間の収入合計-年間支出)÷購入価格
各種経費には、管理費や修繕費、設備・備品の交換費用、交通費、通信費、広告宣伝費や接待交際費、借入金利息などを含めるケースが多いです。また税金としては土地・建物にかかる固定資産税・都市計画税、収益に対する事業税、賃貸物件の取得時に支払う不動産取得税や登録免許税、その他印紙税などがあります。
表面利回りに比べて計算が複雑になりますが、その分実態に近い数字が出やすいです。興味を持った物件に対しては、必ず表面利回りを求めるようにしましょう。
■想定利回り
想定利回りとは、満室を想定したときの年間収入額を不動産購入費用で割った数値です。計算方法は以下の通りです。
想定利回り=満室時の年間の収入額÷購入価格
満室時の最高収入額を基準にしていますから、想定利回りは表面利回りや実質利回りに比べて高く出やすいです。物件情報における利回りとして、この想定利回りを記載していることも多いです。同じマンションやアパートの中でも、日当たりや階によって家賃は異なるものですが、想定利回りに使われる数字は最高家賃のケースが大半です。
実際に不動産経営を始めると、常に満室というわけにはいきません。資料として提示された「利回り」が想定利回りであることも念頭に、ある程度の空室率を見込んで実質利回りを計算するように心がけましょう。
次回は、「不動産投資で高利回り物件を購入するときのポイント」を
ご紹介したいと思います!